そもそも10数年前まで中国にプロボクシングという競技は存在せず、選手にとっての最終目標はオリンピックでした。それが、経済の発展とともにボクシング団体やプロモーターたちが中国市場に目を付け始め、それを後押しするように習近平主席が”我年轻时练过拳击”(若いころボクシングをやっていた)などど発言してから、中国では本格的なボクシングブームが到来しはじめました。最近では、プロボクシングの各団体(WBA、WBC、WBO、IBFなど)がこぞって中国市場をターゲットにしたローカル王座を量産しはじめています。
そんな今熱い中国プロボクシング界の現役ボクサーパウンドフォーパウンドのランキングトップ10を「拳击时空」というメディアが発表したので紹介したいと思います。
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中国現役プロボクサートップ10は
※2018年4月発表のランキングです。
第10位 叶列恰提・尼合买托拉
現WBCアジアバンタム級チャンピオン
13勝0敗1分5KO
チベットウイグル自治区出身
写真は今どきの若者らしいルックスですが、8歳の時に両親に捨てられた後、祖父母に育てられ、18歳の時にプロボクサーになるためチベットから雲南省に渡ったという苦労人のようです。ニックネームは「叶胜」という21歳の若者です。
第9位 孙想想
現IBF B&R地区ライト級トーナメントチャンピオン
14勝14敗10KO
1992年生まれ山東省出身
2017年にIBFが中国市場をターゲットに新設した「IBF Belt&Road Region」という10数か国が加盟する地区のライト級チャンピオンです。
第8位 吕斌
WBC傘下ABCOジュニアフライ級チャンピオン
1戦1勝1KO
1994年生まれ、浙江省出身
リオ五輪に出場しベスト16の試合で疑惑の判定負け、2018年7月にWBAの世界戦に挑戦予定。
第7位 祖力皮卡尔・买买提艾力
現WBAアジアスーパーミドル級チャンピオン
10勝1敗1分7KO
チベットウイグル自治区出身
チベット出身のハードパンチャーで、2015年のデビュー以来ド派手なKOで勝利を重ねています。
第6位 吴国权
現CBCUスーパーミドル級チャンピオン
12戦12勝7KO
マカオ出身
CBCU(中国プロボクシングクラブ連盟)のミドル級チャンピオン、マカオ理工大学在学中にプロ転向。
第5位 孟繁龙
現IBF B&R地区ライトヘビー級チャンピオン
12戦12勝7KO
1989年生まれ内モンゴル出身
身長190センチから繰り出されるハードパンチは圧巻。
第4位 熊朝忠
前WBCフライ級チャンピオン
27勝7敗1分14KO
1982年生まれ
2006年にプロデビューした中国初のプロボクサーで、現在の中国ボクシング界の礎を築いたベテラン。2012年にWBCミニマム級王座を奪取、その後3度の防衛、今なお現役で活躍するレジェンド。高校1年で退学し毎日10時間以上炭鉱で働きながら家族を養ったという苦労人。
第3位 邹市明
前WBOフライ級チャンピオン
9勝2敗2KO
1981年生まれ、貴州省出身
2008年北京オリンピック48㎏級、2012年ロンドンオリンピック49㎏級で金メダルを獲得した中国ボクシング界の英雄。2013年にボブ・アラムと契約しプロ転向。2016年にWBOフライ級チャンピオンを獲得、2017年に木村翔選手に敗れ王座陥落しました。
第2位 曹星如
現WBO世界スーパーフライ級チャンピオン
22戦22勝13KO
1987年生まれ、香港出身
2011年プロデビュー以後負けなしのサウスポー。2017年には河野公平選手に勝利し王座防衛を果たしています。
第1位 张君龙
現WBAオセアニアヘビー級チャンピオン
19戦19勝19KO
1981年生まれ、山東省出身
2012年プロデビュー、中国重量級プロボクサーの第一人者。KO率100%で2016年にWBA傘下のWBAオセアニアのヘビー級チャンピオンを奪取。一見プヨプヨした体形なんですが軽快なフットワークでたたみかける連打が特徴的です。世界ヘビー級王者になる日は来るのでしょうか。