「Japanese Soba Noodles 蔦」といえば、ラーメン史上初のミシュラン一つ星を獲得したお店として世界中的に有名なラーメン店です。ミシュラン獲得後はあまりの行列の凄さに近隣からの苦情を受けたらしく、現在では早朝から整理券を配るシステムに変更したほどです。
今回は、そんな「蔦」の屋号を語るラーメン店が中国北京にも出来たという、けしからん情報を得たので、早速探りに行ってきました。
お店の場所は、北京市朝陽区の望京エリア酒仙橋路沿いに小規模の飲食店が立ち並ぶ一角にあります。私の記憶が確かならば望京エリア一帯はコリアンタウンだったと思います。
お店の上部には「茑拉面」と書かれたチャイナレッドの看板(「茑」は簡体字の「蔦」)、入口は和風の引違戸で「蔦」の文字が書かれた白い暖簾が掛かっており、壁には「Japanese Soba Noodles 蔦」と書かれ、その下には謎の小窓も付いています。
外装のパーツは本家を思いっきりコピーしていると感じますが、上部のチャイナレッドの看板が主張しすぎるせいか、お店全体の完コピ度はイマイチな感じです。
この辺は、ラヲタでないとコピー具合が伝わらないと思うので、実物写真で本家と見比べてみました。左が日本の「Japanese Soba Noodles 蔦」で、右が「茑拉面」です。
なんとも中途半端なコピー具合ですよね。
いちばん特徴的なのが、白壁に書かれた「Japanese Soba Noodles 蔦」です。上段が日本の本家、下段は北京のパクリ店です。
中国では「日の丸」デザインの看板を掲げることがNGなので、黄色い丸(満月?)に変わっています。
さて、外観の撮影を終え入店です。
平日13:45に訪問しましたが、先客ゼロ・後客ゼロで整理券配布もなく即着席できました。
店内は非常にこじんまりとしていて、4人掛けテーブル×3と2人掛けテーブル×3のみ、向かって左側は富嶽三十六景っぽいデザインの壁紙。
テーブルの上にはメニューがおかれ、日中英併記なので、こちらも世界中の顧客をターゲットにしているようです。メニューはラーメンだけでなく、サイドメニューもかなり豊富な印象です。
ラーメンについては、本家が醤油と塩なのに対し、こちらは豚骨と味噌でした。いちばん大きく書かれた「招牌豚骨拉面(おすすめ豚骨ラーメン)」32元(約525円)をオーダーしました。
ラーメンを待つ間、メニューをながめていると・・・
「鶏肉ごはんをとりましょう」ダジャレ?
「脈動を飲む」という謎の飲料・・・
怪しい「偽日本語」が使われているので、この店の経営に日本人は関わっていないことが推測できます。
続けて、店内を見渡してみると・・・
箸は洗い箸でエコ仕様、卓上調味料は醤油、ソース、塩
向かって右の壁には和風な照明と壁掛け木札メニューで昔ながらの街中華風を演出
入口横の壁には「迎春」と書かれたお正月飾りがふたつ、オーナーが日本へ旅行した際に買ってきたのかも
その横の冷蔵庫の中には麺がまとめて保冷してありました。どうやら自家製面ではなさそうです。
さてさて・・・
待つこと約7分、「招牌豚骨拉面(おすすめ豚骨ラーメン)」が着丼です。
どんぶりが何故かハンドメイドのようで、非常にゆがんだ形状でした。店主が景徳鎮で作ってきたのでしょうか・・・
スープはさほど乳化しておらず豚骨醤油っぽい感じ・・・
麺はコシの無い超柔らか麺(中国人の好みの湯で加減は柔らか)
タマゴは味玉ではなく燻製玉子、良い感じの半熟加減
チャーシューにも本家のようなレア感は無い・・・
残念ながらKK(完食完飲)できませんでした。
まとめ
訪問した時間帯は客ゼロだったせいか、店員は1名でワンオペでした。店員にヒアリングしてみたところ、2018年春にオープンしたばかりで、老板(オーナー)は日本人ではないと言ってました。当たり前か・・・
以前当サイトで一蘭を完コピした蘭池ラーメンをご紹介したばかりですが、どうやら中国では空前の”偽ラー”ブームが到来しているようです。
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香港と台湾では大人気で連日大行列というとんこつラーメン専門店の「一蘭」ですが、中国大陸では出店してい ...
私もJSN蔦のラーメンが好きなので、香港と台湾に出張するときはよく訪問します。(台湾と香港はホンモノです)
そんな日本のラーメン職人達が修行を重ね切磋琢磨しながら築き上げた日本のラーメンブランドを、中国人がテキトーにパクる行為は本当に許しがたい!
一方で現実は、最近「無印良品」が中国でパクリ会社に敗訴したニュースを聞くと、同じく中国で模倣品対策に悩むものとしてはメンタル的に戦意喪失しそうなのですが・・・
偽ラー店主よ、せめて・・・
「ラーメン屋パクるなら美味しくあれ!」