はじめに
私は頻繁に日中を往来する就労ビザを持たない出張者ですが、WeChatPay(微信支付)とAlipay(支付宝)を使うために2017年4月に上海の中国工商銀行で銀行口座を開設しました。
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ダメもとで中国出張中に銀行口座を開設しに行ってみた(工商銀行)
中国では近年、金融犯罪やマネーローンダリングなどの事件が多発しているのと同時にモバイル決済サービスが ...
今から2年前の2017年当時もすでに、就労ビザを持たない出張者が中国で銀行口座を開設するのは難しいという情報はありましたが、ダメ元で突撃してみたところ意外にあっさり開設出来ました。
あれから2年、中国当局はマネーロンダリングなどの犯罪防止対策を強化し始めたため、非居住者が銀行口座を開設することが格段に難しくなっているようです。
今回、同じく中国出張の多い日本人の友人から、WeChatPayのポケットチェンジが封じられてしまいモバイル決済ができなくなって大変不便になってしまったので、どうしても中国の銀行口座を開設したい!と懇願され、2019年7月上旬に手伝った顛末を記します。
結論
出張者でも銀行口座を開設できました!
銀行に電話で確認してみた
まず、私が2年前に口座を開設した上海の中国工商銀行に、外国人が口座を開設するために必要なものについて電話で尋ねたところ、以下の3つが必須であるという回答でした。
口座開設に必要なもの
- パスポート
- 中国の携帯電話番号
- 外国人居留許可証
2年前は1.パスポートと2.中国の携帯電話だけで開設できたのですが、現在では「3.外国人居留許可証」が必須だと言われてしまいました。
「外国人居留許可証」を発行してもらうには、就労もしくは留学ビザが必要なので、中国出張者が用意することは実質不可能です。
何か「外国人居留許可証」の代替になる書類なり証明書は無いのか、いろいろ質問してみたのですが、どうしてもダメという回答でした。
やはり出張者が中国で銀行口座を開設するのは相当難しそうです。
中国人に相談してみた
次に、金融関係に詳しそうな中国人投資家の友人に相談してみたところ、以下のようなヒントをもらいました。
中国でビジネスをしている中国籍を持たない華僑の人間も、同様に中国での口座開設が難しくなり同じ悩みを抱えているようなので、一度彼らに相談してみたらどうか。
確かに華僑のネットワークに聞けば何とかなりそうな気がしてきました。
台湾人ネットワークに相談
翌日、元同僚で大手電子機器メーカーに勤務している台湾人の友人に相談してみたところ見事に解決しました!
彼の会社で台湾から仕事で頻繁に中国に来る出張者たちも、中国でモバイル決済が出来ないと非常に不便なので、現在でも簡単に銀行口座を開設できる銀行をいくつか知っていると言ってました。
親切にも彼が直接銀行に電話をしてくれ、日本人が行くからとアポまで取ってくれました。
紹介してもらった銀行名は伏せますが、私ははじめて聞くマイナーな銀行で、上海市内に十数支店あるようでした。
マイナー銀行で無事口座を開設
後日、友人から無事に口座を開設できたと報告がありました。
ポイント
- 地下銀行のような想像していたが、上海新天地近くの一等地にあった
- 銀行とは思えぬ形態でカフェのような内装だった
- パスポートと中国の携帯電話番号だけで開設できた
WeChatPayに登録できる銀行は沢山ある
外国のパスポートで開設したアカウントの場合、実名認証が可能な銀行は以下リンクの通り非常に沢山あります。
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WeChatPay(微信支付)の実名認証ができる銀行カード一覧
海外ユーザーはWeChatPayの実名認証をどのように完了させればよいか? 実際には中国の銀行口座が ...
リンク先の一覧表の下の方にあるマイナーな銀行が狙い目かもしれません。
チャージ代行サービス
Vpayfastという代行サービスを検証したところ、手数料は高いですがチャージは可能でした。
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[検証]VpayfastでWeChatPay(微信支付)にお金をチャージ
非常に便利な中国のモバイル決済サービスWeChatPay(微信支付)ですが、残念ながらアカウントに登 ...
中国で口座開設 まとめ
今回、友人の銀行口座開設を手伝ってわかったこと
ポイント
- 出張者の中国口座開設は相当難しい
- ただし口座開設は不可能ではない
- 事前に銀行へ電話で問い合わせをする(してもらう)べき
- 困ったら中国人に相談すべき
- 華僑の人たちも同じ悩みを持っているので相談すべき
- メジャー銀行よりマイナー銀行の方が狙い目かも
- マイナーでもWeChatが使えればOK
注意ポイント
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