ブルースリー vs ドニーイェン
師匠イップマンを演じたドニーイェンと時空を越えた師弟対決を繰り広げるブルースリー! pic.twitter.com/y7HR2yi165
— 中華ライフハッカー (@clifehack) February 19, 2020
このAI動画、感動ですよね!!!
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あれっ!?いまいちピンと来ない?
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この動画のどこに感動ポイントがあるのかピンと来ないという人のために簡単に解説しましょう!
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細かすぎて日本人には伝わらないジャッキーチェンのモノマネをするジャッキーちゃん最高
この動画は、10年以上前に中国で放送されていたジャッキー・チェンの育毛シャンプーのCM ...
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ブルース・リー(李小龍)
こちらは言わずと知れた、香港が生んだ世界的なアクションスターですよね。
1973年32歳の若さでこの世を去り、45年以上経った今なお根強い人気のある大スターです。
有名すぎるので詳しい経歴については割愛しますが、ブルース・リーのアクションのルーツになっているのが詠春拳という武術だということは日本人にはあまり知られていません。
詠春拳
詠春拳は中国の広東省を中心に伝承されていた武術で200〜300年の歴史があると言われています。
14歳のブルース・リー少年は香港で詠春拳の道場に入門しました。
その道場の師範がイップ・マンでした。
イップ・マン(葉問)
11歳から詠春拳を学び裕福な家庭で育ったイップ・マンでしたが、1937年、日中戦争が始まるとイップ・マンの財産はすべて日本軍に接収され香港へ亡命することになります。
香港での生活は困窮を極め、生活のために詠春拳の道場を開き、そこに入門してきたのがブルースリー少年でした。
イップ・マンが亡くなってから約40年、2008年に公開された「イップ・マン 序章」以降大人気を博した同映画シリーズで主人公イップ・マンを演じているのがドニー・イェンです。
ドニー・イェン(甄子丹)
ドニー・イェンは武術家の家系に生まれ11歳で香港からアメリカに移住します。
その後香港に戻り香港映画のスタントや裏方をしながらアクション監督として名を上げ、さらには英語力を活かしハリウッドでもアクション指導に携わります。
アクション監督の傍ら俳優としても活動し、40歳を過ぎてから主演した「イップ・マン 」シリーズが大ヒットしました。
はじめのAI動画の解説に戻ると、師匠イップマンを演じたドニーイェンのAIと、同じくAIで復活したブルース・リーが時空を越えた師弟対決を繰り広げるという背景があるのです。
イップ・マンとブルース・リーは実際に戦ったの?
ブルースリーが14歳で入門した当時のイップ・マンの年齢は60歳でした。
おじいちゃんと孫ぐらいの年齢差だったので、お二人がご存命だった当時に戦ったとは考え難いですね。
イップ・マンとブルース・リーの不仲説
イップ・マンとブルース・リーの師弟関係には諸説あるようです。
幼少期
前述した通り、ブルース・リーはイップ・マンの門下で約6年間詠春拳を学んでいます。
14歳のブルース・リーは、まじめに休むことなく練習し抜きん出た存在だったようですが、イップ・マンはそんなブルース・リーをひいきせず他の門下生と平等に接していたようです。
若くて血気盛んなブルース・リーはイップマンのそんな教えに反抗的だったと言われています。
アクションスター時代
ブルース・リーが世界的アクションスターとして成功してからも、イップ・マンとの不仲説が絶えることはなかったようです。
当時のブルース・リーは映画の撮影が忙しく、イップ・マンのもとを訪れる時間がなかったことから、メディアからは「二人は決別した」と度々報じられています。
アクションスターとして成功を遂げた同時期にブルース・リーは独自にジークンドーという新しい武術を立ち上げました。
これに詠春拳の兄弟弟子達は激怒し、裏切者のブルース・リーをイップ・マンに近づけさせなかったそうです
ただ、イップ・マンは非常に寛容な人で、弟子のブルース・リーが他流派の武術を学ぶことを否定しなかったそうです。
確かにジークンドーの型は詠春拳とは異なる武術に見えましたが、イップ・マンは何とも思わなかったそうです。
後に香港のレストランで楽しそうに食事をするイップ・マンとブルース・リーが多くの民衆に目撃され、不仲の噂も吹き飛んだそうです。
価値観は違っていた?
イップ・マンとブルース・リーの価値観が違うというのは事実のようです。
映画界で成功したブルース・リーは武術をビジネスとして活動していました。
一方で、イップ・マンは詠春拳を真摯に極める武術家で、武術の商品化には断固として否定的だったそうです。
ある時、詠春拳の木人桩のシーンを映画に取り入れたいと思ったブルース・リーは、イップ・マンに木人桩の伝授を依頼しました。
木人桩(mù rén zhuāng) pic.twitter.com/Za6FeMXXOM
— 中華ライフハッカー (@clifehack) February 28, 2020
ブルース・リーが木人桩を教える謝礼としてマンションを差し上げると言っても、イップ・マンは断固拒否したというエピソードもあります。
死去
イップ・マンは幼少期から大人になってもブルース・リーに会うたびに「あわてるな!急ぐな!」と言っていたようです。
イップ・マンは1972年12月に79歳でこの世を去りますが、翌1973年7月にブルース・リーは32歳で突然の死を遂げてしまいます。
もしかしたらイップ・マンには、ブルース・リーがずっと生き急いでいたように映っていたのかもしれませんね。
師弟関係は二人にしか分からない
ブルース・リーはアクションスターとして成功すると同時に若くして突然死してしまったので、彼に関するエピソードは周辺人物の証言や伝聞によるものが多いようです。
身長は書籍 『ブルース・リー大百科』、映画『実録ブルース・リー/ドラゴンと呼ばれた男』では171cmと記載、『死亡遊戯』78年の公開前チラシには164cm、風間健は166cm、倉田保昭は167cm(自分よりリーのほうが少し低かったと証言)、リンダ・エメリーは170cmとそれぞれ証言し、書籍『伝説のブルース・リー』には175cm、と複数のデータや証言がある。
身長ひとつとっても諸説あるみたいですね。
武術に限らず、師匠と弟子という関係は、文章では説明しきれない当人同士にしか分からない関係性があると思います。
そもそもおじいちゃんと孫ぐらいの年齢差がある二人ですから、価値観は違えどブルース・リーはリスペクトしていたんだと思います。
この写真を見れば、二人の間に確執などないと思いませんか?
詠春拳は日本人禁制?
日本では「詠春拳」ってあまり知られていないですよね。
「ブルース・リー」「ジークンドー」「少林寺拳法」などに比べると認知度は圧倒的に低いです。
イップ・マンが教える詠春拳が日本人禁制なのは、どうやら真実のようです。
やはり前述した通り、イップ・マンは日中戦争で日本軍に全財産を没収された恨みから、詠春拳の葉問派は日本人禁制だったのではないかと思われます。
映画「イップ・マン 」の中でも日本人には教えないというシーンが出てきます。
記事の内容はあくまで中国功夫好きの個人的な見解です。