トランプ政権が中国製品に高関税を課す制裁措置の発端となった知的財産侵害問題。
トランプ政権になってからアメリカ政府は中国の技術模倣、窃取を警戒する一方で、中国の知財保護強化の取り組みは、この2,3年急激にピッチを上げているようです。
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中国・李首相「知的財産権の保護を強化」(2019年3月15日掲載)|日テレNEWS NNN
本サイトでは2017年に上海地下鉄2号線上海科技館駅にある偽物市場をレポしました。
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【潜入】上海の偽物市場はどこにあるのか?|2017年版その1
模造品の8割は中国製? 中国側は「無責任な批判」と反論 欧州刑事警察機構と欧州連合知的財産庁(EUI ...
あれから2年、中国の知的財産権は本当に強化されているのか?あらためて上海科技館駅の偽物市場を視察してみました。
市場の場所は
上海地下鉄2号線は浦東空港と虹橋空港を結ぶ路線で、「上海科技館駅」は高層ビル群で知られる上海の金融街「陸家嘴駅」から浦東方向に3駅目にあります。
明らかに市場の雰囲気は変わっていた
「上海科技館駅」の改札を出るとすぐに市場があります。
市場の入口には「尊重知識産権促進公平競争」(知財権を尊重し公平な競争を促進する)と書かれた横断幕も!
巨大迷路のダンジョンように乱立する商店街は2年前とさほど変わりませんが、探しても店頭にコピーブランド品を見つけることはできませんでした。
そこで、2年前コピー商品の倉庫だった場所に行ってみると、なんと上海公安局により封鎖されていました。
上に政策あれば下に対策あり
表向きは完全にコピー商品の販売をやめたように見えたのですが、小売店の店員にブランド物の財布が欲しいと問いかけると、あっさりと店の奥からボストンバックを持ち出してきました。
LVのマネークリップ
Supreme x LVのマネークリップ
各種ブランドのネクタイ
取り締まりが厳しいので店頭には並べられないけど在庫はいっぱいあると言ってました。
偽物市場まとめ
10数年前は海外ブランド商品のコピーを堂々と販売していたエリアですが、年々取り締まりが厳しくなっているようで、表向きにはコピー商品の販売はしていない体になっていました。
おそらく中国人自体が裕福になったので、高級ブランドのホンモノでも購入できる経済力を持つようになりニセモノの需要が低下したことも一因だと考えられます。