中国VPN 中国アプリ

中国アプリは使って大丈夫?情報流出するの?どんな情報が抜かれるの?

最近では、西側各国が安全保障上の懸念があることを理由に中国アプリの使用禁止を検討しているニュースを頻繁に目にするようになりました。

当サイトでは、たびたび中国アプリの最先端で便利で楽しい一面ばかりを紹介しているので、今回は中国アプリの危険性についても可能な限りフラットな視点で調べてみました。

果たして、中国アプリからどのような情報が抜かれる可能性があるのか?

仮に情報が抜かれているとして、どんな実害があるのか?

独自の視点で書きましたのでご覧ください。

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中国産アプリと中国系アプリ

ひとくちに”中国アプリ”というと、大きく分けて2種類あります。

中国”産”アプリ

一般的に中国でよく使われているWeChat(微信)Weibo(微博)などは、中国で作られ中国の企業が配信しているアプリです。これらは中国国内の法律に準じて、ユーザーのデータを監視したり中国の政府機関にデータを送信する機能があらかじめ搭載されています。

これら中国”産”のアプリは、アプリ利用開始時に「電話番号の登録」を義務付けられています。

中国の「国家情報法」

2017年6月に施行された中国の「国家情報法」によれば、「いかなる組織及び個人も、法に基づき国の情報活動に協力し、国の情報活動に関する秘密を有し、国は、情報活動に協力した組織及び個人を保護する」となっています。日本から中国のアプリを利用している場合でも、通信の内容は中国当局に共有されている可能性が高いと思った方が良いでしょう。

 

中国”系”アプリ

中国”系”アプリとは、中国のIT企業が中国国外の現地法人からリリースしており、何らかの方法でユーザーの個人情報を中国政府に流出させているのではないかという”疑惑”を持たれているアプリです。

最近よくニュースで話題になっている中国アプリとは、主にこちらの中国”系”アプリを指しています。

日本でもこれら中国系のアプリは数多く存在しますが、いったいどれだけの日本人が中国系だとわかって使っているのでしょうか。

以下に、日本でも人気の中国”系”のアプリをご紹介します。

TikTok

現在疑惑の渦中にあるTikTokは、中国のバイトダンス(字節跳動)が開発運営しているモバイル向けショートビデオのプラットフォームで、若者に大人気のアプリで、世界中のユーザー数が7億人を超えたと言われています。

当サイトでも紹介していますが「TikTok」は中国で開発された「抖音」というアプリの海外版です。

TikTok ティックトック

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放置少女

深キョンのテレビCMでもおなじみの三国志をベースにした美少女育成ゲーム「放置少女」は、中国の北京有爱互娱科技有限公司という会社が開発、現在ではTikTokの運営会社バイトダンス(字節跳動)に買収され完全子会社となっています。ちなみに日本ではC4Connectという会社名で運営されています。

放置少女 - 百花繚乱の萌姫たち

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C4 CONNECT K.K.無料posted withアプリーチ

 

マフィア・シティ-極道風雲

マフィア・シティ-極道風雲

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YOTTA GAMES PTE LTD無料posted withアプリーチ

SNS広告によく出てくる「マフィア・シティ-極道風雲」は、上海友塔网络科技有限公司が開発・運営している中国アプリです。

 

荒野行動

荒野行動は、NetEase(ネットイース、網易)により開発されている中国産のバトロワ系ゲームで、日本でも大人気で多くのプレイヤーが存在しています。

荒野行動-スマホ版バトロワ

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NetEase Games無料posted withアプリーチ

 

原神

『原神』は、中国のゲーム会社、miHoYoによって開発および運営される基本プレイ無料スタイルのオープンワールド型アクションRPGです。同じくmiHoYo運営のスマホ向け3Dアクションゲーム「崩壊3rd」も中国産のアプリです。

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アーチャー伝説

世界的なヒットを記録している『アーチャー伝説』は、中国のゲーム会社「Habby(海彼網絡)」によって開発および運営されている無料ハイパーカジュアルゲームです。

アーチャー伝説

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IdentityV 第五人格

第五人格、こちらもNetEase(ネットイース、網易)により開発されている中国産の非対称対戦ゲームです。ファンタージーでミステリアスなストーリーの世界観が日本でも人気です。

Identity V

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BeautyPlus

日本の女子高生を中心に人気を集めている画像加工アプリ「BeautyPlus」も中国で開発されたアプリです。

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CapCut

かんたん操作で無料でプロ並みの動画編集ができる「CapCut」もTikTokと同じ中国のバイトダンス(字節跳動)が開発したアプリです。

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DiDi

ライドシェアサービス「DiDi(滴滴出行)」も中国アプリです。

2018年9月から日本に進出し、日本では二種免許を持たない運転手によるタクシー事業(白タク)が法律で禁じられているため、中国とは異なり一般のタクシーを配車するサービスとして日本市場に展開しています。

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Zoom

新型コロナの影響によるリモートワークで脚光を浴びたZoomですが、サービスはアメリカで開発されたものの、CEOのエリック・ヤンが中国出身で中国政府により会話の内容が監視されているのではという疑惑があります。

2020年6月に開催された天安門事件に関連する大規模なZoom会議について、中国政府からこれら会議とホストアカウントの凍結を要求され、実際に中国本土からの参加が確認された会議を終了し、ホストアカウントを強制的に凍結または終了させたことで、中国政府とのつながりに関する疑惑が深まりました。

ZOOM Cloud Meetings

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いかがでしょうか?

意外と中国系だと気づかずに使っているアプリって多いのです。

 

中国アプリの見分け方

中国アプリかどうかの判別方法については、まず、アプリの販売元をチェックしてみましょう。

中国の会社法では社名に必ず所在地の地名を使用することが義務付けられているので、販売元の正式名称に中国の地名が含まれている企業から配信されているものは中国”産”アプリだと比較的簡単に判別できます。

アプリ名 企業名 
WeChat Tencent Technology(Shenzhen)Company Limited
Alipay Alipay(Hangzhou)Technology Co.,Ltd.

一方で、中国”系”アプリは、中国国外の現地法人からリリースしているので、販売元の社名から判別するのは難しいのです。

 

中国アプリからどんな情報が抜かれるのか?

それでは、中国アプリから情報が抜かれていると仮定して一体どんな情報が抜かれているのでしょうか?

中国アプリと言ってもいろいろな種類があるので、一概にどんな情報が抜かれると言及するのは難しそうですが、一例としては、2019年11月27日にアメリカの大学生らがカリフォルニア州北部地区連邦地裁に対し「TikTokが動画を撮影し投稿する間に個人情報を中国の2つのサーバーに転送している」と主張しTikTok運営会社を集団訴訟しています。

TikTokで抜かれたと主張する個人情報とは

  • 動画
  • 位置情報
  • 年齢
  • 性別
  • メッセージ
  • 電話番号
  • 電話帳の情報
  • 検索履歴
  • スマホのシリアルナンバー
  • IPアドレス

これらはあくまで原告側の主張です。

また、今のところ中国のサーバーに転送しているエビデンス(証拠)は示されていないようです。

 

ポンペオ国務長官もTikTok排除に言及

若者を中心に世界で20億回ダウンロードされた超人気アプリTikTokですが、アメリカのポンペオ国務長官はアメリカFOXニュースのテレビインタビューで

「アメリカが安全保障上の懸念があることを理由に、TikTokなど中国アプリの使用禁止を真剣に検討している」

と発言しています。

その後、2020年8月に、トランプ大統領はTikTokとWeChat(微信)の米国内での使用を禁止する大統領令に署名しました。

但し、この大統領令は2021年6月9日にバイデン大統領により撤回されています。

 

中国アプリ排除の流れは世界でも

アメリカ以外の各国も、中国アプリに対する警戒感が急速に高まっています。

インド

インドは2020年6月25日にTikTokを含む59種類の中国アプリの使用禁止を発表しました。

表向きは情報漏洩としていますが、領有権を争っている北部カシミール地方で中国軍と衝突しており、インド国内で中国に反発する動きが高まっていることが要因と言われています。

 

オーストラリア

オーストラリアも、TikTokが中国政府とユーザーの情報を共有している可能性があるとして禁止を検討を始めています。

こちらも、表向きは情報漏洩としていますが、新型コロナウイルスの発生源調査をめぐり中国と対立していることが要因ではと考えられています。

 

EU

EUでも中国アプリに対して個人情報保護の面から懸念の声が上がり調査を始めているようです。

欧州データ保護会議は2020年6月10日、TikTokに対する潜在的な調査をコーディネートする作業部会を立ち上げると発表しています。

このように、現時点で中国アプリの使用禁止を表明したのはインドだけで、その他各国は検討段階のようです。私が調べた限りでは、いずれの国も中国アプリが個人情報を抜いているという証拠については示されていません。

 

TikTok運営の日本法人は?

そんな疑惑の渦中にあるアプリ「TikTok」を運営するバイトダンスの日本法人は以下のようなコメントをしています。

TikTokはアメリカ人のCEOが率いており、その下で何人もの従業員と、安全、セキュリティ、製品、公共政策の各分野の主要なリーダーがアメリカで活躍しています。ユーザーにとって安心で安全なアプリ体験を促進すること以上に重要な優先事項はありません。中国政府にユーザーデータを提供したことはありませんし、要請されたとしてもそうするつもりもありません。

バイトダンス社も、やってないことを証明するのは非常に難しく、いわゆる悪魔の証明なので、コメントからも苦しい立場が窺い知れます。

 

TikTokのアメリカ人CEOとは

バイトダンス社日本法人のコメントにもあったアメリカ人CEOは華麗なる実績の持ち主です。

ケビン・メイヤー氏

ウォルト・ディズニーの役員を退き、2020年6月から北京字節跳動科技(バイトダンス)の米子会社TikTok(ティックトック)の最高経営責任者(CEO)に就きました。

米国や西側諸国において、TikTokアプリは中国政府への情報共有が疑われています。

この疑惑を晴らすため、TikTokは、中国の国家安全維持法の施行を受け、数日以内に香港での運営を停止し撤退すると発表しました。

TikTokは中国当局との関係はなく、米国のユーザーデータは米国内に保管(バックアップはシンガポール)していると述べ、さらに中国政府から開示要請を受けてもそれに応じることはないと主張してきました。

それでも米国では2020年7月6日、ポンペオ国務長官が「TikTokを含む中国のソーシャルメディアアプリ」の禁止を検討していると発言しています。

中国アプリが個人情報を抜いているという確固たる証拠は明らかになっておらず、むしろ国家間の紛争などにおける主導権争いの道具にされている印象ですが、一方で中国アプリが国家安全保障上の問題に対して全く心配ないと言い切れる根拠も無いのが現実のようです。

 

中国アプリ排除に中国政府の反応は?

インドが中国アプリを禁止扱いにしたことに対し、中国は世界貿易機関(WTO)の規則に違反していると主張しているようです。

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とは言っても、中国にそんな事をいう権利なんてないと思いますが・・・

なぜならば、そもそも中国はグレートファイアウォール(金盾)でGoogleやTwitterなど西側のサービスを禁止しているので、反対に西側諸国が中国アプリを禁止したところで文句を言うのはお門違いと思うのは私だけでしょうか・・・

 

アメリカ製のアプリは大丈夫なの?

さて、ここまで中国アプリを使用するリスクについて語ってきましたが、一方で、GAFAと呼ばれるアメリカ製のアプリは安全なのでしょうか?

調べてみると、そんなことはなさそうです。

スノーデン事件

スノーデンによると、NSA(アメリカ国家安全保障局)は世界中で6万1000件以上のハッキングを行っており、そのうち数百回以上が中国大陸と香港の政治、ビジネス、学術界を目標として行われたといわれています。

ケンブリッジ・アナリティカ事件

2014年ごろに、ロシア系アメリカ人学者が、心理クイズアプリを作成。約30万ダウンロードされたそのアプリに仕組まれたフェイスブックAPIを経由し、ダウンロードユーザーとその友人ら約5000万人分のユーザー情報を取得後、ケンブリッジ・アナリティカ社へと売却され、そこからトランプ陣営をはじめ複数の選挙活動をサポートしたという問題です。フェイスブックCEOマーク・ザッカーバークがCNNのインタビューでこれを大筋で認め、謝罪広告を打つに至っています。

結局、アメリカ政府もアプリ経由で情報を収集しているのは間違いなさそうです。

 

中国アプリで個人情報を抜かれているとしたら

最後に、技術的にアプリから情報抜き取りが自由にできたとして、どういったリスクが考えられるのか調べてみました。

もし仮に中国アプリを通して本人特定され、メッセージや位置情報などが流出すると想定した場合、あなたが政治家、公務員、自衛隊員など国家機密や軍事機密にアクセスできる立場の人間ならば、中国アプリの利用は控えるべきだと思います。

では、あなたが一般人なら大丈夫なのでしょうか?

もし仮に自分の身元が特定され、一般市民のメッセージの内容や位置情報などが中国に流出したと想定した場合、ちょっと気持ち悪いと思う感情以外に実害はほとんどないと思うかもしれません。

例え一般市民の情報でも、蓄積されたビッグデータと合わせて要人の個人情報特定および属性情報を調べることができるようです。

要人本人ではなく、まずは家族や交友関係の個人情報から切り崩していくというのも、スパイの常套手段のようなのです。

自治体のTikTokは大丈夫なの?

公務員は中国アプリの利用は控えるべきと書きましたが、調べてみると日本の自治体がTikTokと提携して公式ページを開設していました。

ただし、都道府県庁の幹部が個人のスマホで配信してたら問題ですが、おそらくSNS発信専用の端末で運用してるか、外注業者に依頼していると思うので、公式ページがあること自体はさほど問題にはならないと思います。

 

中国アプリのリスクを減らす方法

中国に限らず、サイバー犯罪者は様々な手口を使ってあなたの個人情報を傍受したり、インターネットの閲覧履歴を監視している可能性があります。

このようなリスクを防ぐのに有効なのが「VPN接続」で、情報漏えいのリスクが低く、安全にデータのやりとりができます。

VPNについては、下記サイトをご参照ください。

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中国アプリの危険性 まとめ

中国アプリを使うことで、自分の個人情報がある程度筒抜けになるのは間違いなさそうです。

アメリカのGAFAにしろ中国のBATにしろ、集めた個人情報のビッグデータを利用して各種のアプリがものすごい勢いで発展していると言っても過言ではありません。

あくまで個人的な見解ですが・・・

中国でもアメリカでも日本でも

無料で提供されるアプリは

「個人情報を提供する代わりに便利で魅力的なサービスを低コストで利用できている」

という裏側があるということです。

最終的にはそのアプリを利用するかどうかは

あなた自身の「自己責任」というのが結論です。

 

VPNで安全性を強化できる

インターネットのセキュリティに絶対というものはありません。

100%安全なネット環境を構築するのは不可能と言って良いでしょう。

ただ、VPNを理解して、正しく適切に利用すればセキュリティ対策の一つにすることはできます。

VPNについて解説しているので、興味がある方は下記をご覧ください。

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(追記)日本も中国アプリの制限を検討

2020年07月28日、自民党は「TikTok」など中国発のアプリについて制限を検討していると公表しました。

ルール形成戦略議連の甘利会長は「我々が想定していないような形で個人情報、機微に関わる情報が漏れていってしまうことがないように」自民党は動画投稿アプリ「TikTok」など中国発のアプリについて、個人情報が漏れるなどのリスクがあることをユーザーに呼び掛けたうえで、今後、規制に向けて法改正も視野に政府に求める方針です。

TikTokは、すでにインドでの利用が禁止されているほか、アメリカでも制限する動きがあり、日本も足並みをそろえるよう「要請が来ている」ということです。

 

日本で中国アプリが禁止されたらどうする?

最後に、将来日本でも中国アプリの使用が禁止される法律ができたと仮定して考えてみましょう。

TikTokはエンタメアプリなので仮に使用できななっても、日常生活や仕事に支障はないのですが、WeChatが使えなくなると仕事で繋がっている中国人とのコミュニケーションが難しくなってしまいます。

技術的に日本で中国アプリを完全遮断することは可能なのでしょうか?

アプリストアから排除するなどの措置は可能なようですが、おそらく、中国アプリが禁止されたとしても技術的にはVPNを使って中国のサーバー経由で接続すればサービスは利用できると思われます。

実際に、現在でも中国在住の日本人のほとんどがVPNを使って中国で禁止されているGoogleやTwitterなどのサービスにアクセスできています。

ただし、そこまでして中国アプリを利用するユーザーはどれだけいるのか?使いたいのか?

「VPNを使ってまでTikTokを見たいか?」と聞かれると微妙ですよね。

あくまで個人的な推測ですが、中国にVPNサーバーを構える逆壁越えVPNサービスの需要が増えそうな気がします。

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追記:中国当局もIT企業の統制強化

中国当局は、配車アプリDidiにも同様の新規ユーザー受付停止を命じたり、独占禁止法に違反したとして中国EC最大手のアリババ集団などに罰金を科すなど、IT企業への統制を強化しています。

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