中国ライフハック

【実録】隔離不要のビジネストラックで中国出張を計画してみた

2020年12月3日

2020年11月30日から、日中間の隔離無しのビジネス渡航が条件付きで可能となる「ビジネストラック(ファストトラック)」が運用開始されると報道されましたよね。

私もコロナ前は月一ペースで訪中していた出張者なので日中の往来が緩和されることは歓迎なのですが、そもそも日中でコロナ対策に対する温度差は大きく、また、何事も一筋縄ではいかない中国なので、本当にビジネストラックによる訪中が現実的なのか不安が残ります。

そこで今回は、実際にビジネストラックを利用して中国へ出張するためにはどのような手続きが必要で、どういったハードルがあるのか、実際に渡航できるのかを検証してみました。

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はじめに

日本外務省のリリース

2020年11月27日に外務省からリリースされた「国際的な人の往来再開に向けた段階的措置について(中国・ビジネストラック及びレジデンストラック)」に、日本から中国へビジネストラックで渡航する具体的なフローチャートが掲載されています。

 

中国の公式アナウンス

念のため本件について中国の公的機関からも同様のリリースがあるのか調査したのですが、外交部の記者会見「中日“快捷通道”将于11月30日正式启动(日中間のファストトラックは11月30日から正式に開始)」と言及されているだけで、日本の外務省がリリースしたような具体的なフローチャートなどは見つかりませんでした。

中国公的機関の公式アナウンスをご存知の方はご一報ください

一抹の不安は残りますが、ここで足踏みするわけにはいかないので、ここでは日本の外務省リリースのフローチャートに従って検証してみたいと思います。

 

出国前の準備

中国ビザのオンライン申請

現在、「日本国籍の14日間ビザ免除措置」と「2020年3月27日以前に発行された有効な訪中ビザ」は暫定停止中となっているため、改めてビザを申請する必要があるようです。

中国ビザの申請はオンライン化されているので、中国ビザ申請サービスセンターのウェブサイトから、オンライン上で電子ビザ申請書の入力を行い、ビザの申請日および時間を予約して手続きするだけとかなり便利になっています。

中国ビザ申請サービスセンターのウェブサイトのトップページにある「高速リンク査証」をタップします

ここから中国ビザ申請書の入力ができます

ここから中国ビザ申請の面談日時を予約できます

 

電子ビザ申請書の入力は完了したのですが、ビザの申請には中国の省政府クラスの商務庁または人民政府外事弁公室が発行したバーコード付き招聘状(邀请函/PU)が必要になると判明しました。

 

招聘状の申請

これまでMビザの申請などで必要だった招聘状は企業の責任者のサインがあればOKでしたが、今回必要なのは省政府クラスが発行する招聘状と、かなり難易度が高くなっていました。

申請先については地域により異なるので確認が必要です

上海にある現地法人に招聘状の申請をお願いしたところ快諾してもらえました。

現地で招聘状申請に必要だった資料

上海では外国人招聘状を発行する場合、下記資料の提出を求められるようです。

  1. 申請企業の基本状況(資本金・住所・従業員数・納税状況)
  2. 外国人招聘の理由
  3. 営業執照
  4. パスポートおよびビザのコピー
  5. 招聘者名簿と基本情報
  6. 入国後のスケジュール表

ここで現地から一報がありました。

「11月までは招聘状の発行はできたが、上海コロナ発生の影響で11月以降の手続きは非常に難しくなっているとの連絡が・・・

どうやら11月9日に上海の浦東新区にて新型コロナ感染者が確認された影響で、審査がかなり厳格になり、新規の申請受付もストップしたようです。

新型コロナウイルス感染症(上海市における新規確定症例の発生)

といった具合に、私の中国出張計画はいきなりビザ申請のところでつまずいてしまいました。

引き続き現地にはプッシュしてみますが、私の場合年内の中国渡航は厳しそうです。

 

招聘状の再申請

2021年を迎え旧正月休みも落ち着いた頃に現地法人の法務担当者と打ち合わせを行い、改めて招聘状の申請をしてみようということになりました。

2021年3月中旬、現地法人から送られてきた「信息表」に必要事項を記入して提出しました。

 

区政府の承認

2021年5月中旬、現地法人から区政府の承認が通ったと連絡がありました。

次のステップは市政府の審査になります。

 

招聘状の発行

2021年6月上旬、ようやく上海市人民政府外事辦公室の捺印入りの招聘状を受け取ることができました。

これを持って日本にある中華人民共和国駐日本国大使館でビザを申請することができます。

続きは後日・・・

 

まとめ

新規感染者ゼロを目指し徹底的な対策を行う中国と、Withコロナと称して長期化も覚悟して(?)ゆるい対策を続ける日本では感染症対策についてのギャップも大きく外国人受け入れに対する厳しさも大きく違うと実感しました。

状況が変わり次第、続報を追記したいと思います。

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