
中国国家移民管理局(NIA)は「開放拡大とサービスの質の高い発展を支援するための10項目の革新措置」に関する公告を発表しました。その中で、2025年11月20日より、外国人入国時の入国カードがオンライン申告に対応することが正式に告知されました。
これまで紙ベースだった中国入国カードの記入手続きが、オンラインのウェブ・アプリ・ミニプログラム等を通じて行えるようになり、中国の入国手続きが大幅に簡素化されそうです。
この記事は、出張・旅行で中国に渡航する日本人に向けて、2025年11月から始まる中国入国カードのオンライン申請について、注意点や事前準備の流れをわかりやすく解説しています。
中国入国カードのオンライン申請 概要
申請できるプラットフォーム
中国入国カードのオンライン手続き方法は、下記プラットフォームなどから申請可能です。
- 国家移民局公式サイト
- WeChatミニプログラム
- Alipayミニプログラム
- 国家移民局公式アプリ
対応言語
対応言語は「英語」か「中国語」になります。
オンライン申請可能時間
また、オンライン申請は3ヶ月後の中国入国日まで選択が可能です。
中国入国カードのオンライン申請手順
ここからは、中国入国カードのオンライン申請手順について説明します。
国家移民管理局公式サイトで申請
中国国家移民局(NIA)公式サイトの下記リンクから申請できます。
https://s.nia.gov.cn/ArrivalCardFillingPC
セキュリティエラーでアクセスできない場合は、下記のQRコードをスキャン、もしくはWeChat、Alipay、アプリで試してみてください。

オンライン申請までの手順は下記のとおりです。
WeChatミニプログラムで申請
モバイル決済など中国生活で不可欠なアプリ「WeChat(微信)」のミニプログラムからも、入国カードのオンライン申請ができます。
まずはWeChat(微信)をダウンロードします。
オンライン申請までの手順は下記のとおりです。
Alipayミニプログラムで申請
モバイル決済など中国生活で不可欠なアプリ「Alipay(支付宝)」のミニプログラムからも、入国カードのオンライン申請ができます。
まずはAlipay(支付宝)をダウンロードします。
オンライン申請までの手順は下記のとおりです。
「移民局12367」アプリで申請
国家移民局の公式アプリからも、入国カードのオンライン申請ができます。
アプリストアで「12367」を検索する
QRコードスキャンによる申請

空港の入国審査ゲート付近にあるQRコードをスキャンもしくは専用端末を利用して、オンライン申請できるようになります。
中国入国カード オンライン申請の注意点
ここからは、中国入国カードオンライン申請の注意点について解説します。
QRコードはスクショ必須
中国到着後はインターネットの通信環境が切り替わるため、ブラウザのQRコードが表示されなくなる可能性があります。
QRコードは事前にスクリーンショットで撮影しておくことを強くおすすめします。

中国入国カード 2つの質問事項について
中国入国カードの最後にある2つの質問は、すべて「No」でも良いのか?
- 中国出国日程は確定済みか?(出国日/便名)
- 中国国内での招待者はいるか?(名称・連絡先を記入)
これらの項目は、公式に「必ず記入しなければ入国できない」と明記されているわけではないため、未記入でも絶対に入国が拒否されるわけではなさそうです。
ただし、中国“あるある”ですが、窓口の担当者の判断によって対応が変わることが多いにあり得ます。
よって、入国審査をスムーズに通過するためにも、可能な限りすべて記入しておくのが安心です。
紙の入国カードも使えます

オンラインに入力できない場合、到着時に紙の外国人入国カードに記入する方法も引き続き可能です。
出張・赴任で頻繁に訪中する場合は、事前オンライン申請と並行して、念のため紙のカードも準備しておいた方がスムーズかもしれません。
中国入国までの流れ
ここからは、中国到着から入国審査までの基本的な流れを説明します。
空港ターミナルによっては通常と異なっている場合もあります
①中国に到着
空港の案内表示に従い入国審査場へ向かいます。

②指紋採取
「外国人指紋自助留存」で指紋採取を実施します。

③入国審査
パスポートと入国カードを提示して入国審査を受けます。

④荷物受け取り
預け荷物をピックアップします。

⑤税関申告
税関申告があれば赤いレーン、申告がなければ緑のレーンに進みます。

⑥入国
案内表示に従い到着ロビーを出て目的地へ向かいます。

中国出張前の準備ポイント
中国出張や中国旅行では、事前準備をしているかどうかで快適さが大きく変わります。
まず最重要はモバイル決済の「WeChatPay」「Alipay」が生活インフラ級に普及しており、街のカフェ、タクシー、コンビニ、モールまでほぼ全てスマホ決済で、逆に現金での支払いを断られるケースもあります。
日本のクレジットカード単体では支払えないケースが普通にあるので、事前にアプリにクレジットカードの紐付けまで済ませておくと安心です。
通信は、対応する端末を持っているなら「eSIM」がおすすめ。SIMカードの差し替え不要で、QRコード読み込みだけで使い始められます。中国本土+香港+マカオ共通パッケージも多く、深圳→香港出張にも便利です。
もし、中国に長期滞在するなら「VPN」は必須。中国ではGoogle/Instagram/X/ChatGPTなど海外サービスがブロックされるため、仕事用途なら「VPN」は必須です。渡航後ではインストールできない場合があるので、日本で事前契約&アプリ導入まで完了しておくことが鉄則です。
最近規制が厳しくなったのが、中国国内線機内への「モバイルバッテリー」の持ち込み。中国空港の保安は厳しく、3C認証と100Wh以下の制限に適合しないと没収リスクがあります。日本でスペックをチェックした上で持ち込むと安心。これらを押さえるだけで、ストレスは大きく減ります。
まとめ|中国入国カードのデジタル化

キャッシュレスやAI、自動運転など、デジタル化の進んだ中国で、ようやく外国人の入国カードもデジタル化されましたね。
中国渡航する我々日本人にとっては、今回の制度変更は手続きの負担軽減につながる大きな改善です。
とはいえ、デジタル適用開始時期(11月20日前後)は空港によっては混乱やトラブルのリスクも考えられますので、心の準備をしていった方が良いと思います。